公開日: 2026年9月6日 / 最終更新日: 2026年9月6日
従業員を採用したとき、そして退職したとき。どちらの場面でも、5日以内という短い期限のなかで社会保険の届出をする必要があります。「今回は誰の分だったか」「何を添付すればよいか」を毎回調べ直しているという方も多いのではないでしょうか。この記事では、資格取得・資格喪失それぞれの手続きの流れと必要書類を、実務の順番に沿って整理します。
結論を3行で
- 資格取得届・資格喪失届は、どちらも「事実が発生した日から5日以内」の提出が原則です。
- 資格取得届にはマイナンバー(または基礎年金番号)の確認書類、資格喪失届には資格確認書等の回収が必要です。マイナ保険証利用者は回収物がないケースもあります。
- 提出先は協会けんぽか健康保険組合かで変わります。健保組合加入の場合、厚生年金は年金事務所、健康保険は組合へと提出先が分かれる点に注意が必要です。
資格取得の手続き(入社時)
従業員が社会保険の加入条件を満たして入社したら、次の流れで手続きします。手続きの詳細・様式は日本年金機構の「被保険者・被扶養者関係(資格取得・喪失等)」ページで確認できます。
- 資格取得日を確認
入社日(雇用契約上の勤務開始日)が資格取得日になります。
- 必要書類を回収
(社内での本人確認用に)マイナンバーカードのコピー、または基礎年金番号通知書(紛失時は年金事務所で再発行可能)を回収します。マイナンバーカード未保有の場合は住民票の写し等で代替します。あわせて事業主が対面で本人確認(番号確認+身元確認)を行います。なお、資格取得届に個人番号(マイナンバー)を正しく記載して提出する場合、年金事務所へこれらの確認書類のコピー等を添付して提出する必要は原則ありません。
- 健康保険厚生年金保険被保険者資格取得届を作成
扶養家族がいる場合は「健康保険被扶養者(異動)届」もあわせて作成します。
- 提出
資格取得日から5日以内に、管轄の年金事務所(持参)または年金事務センター(郵送)、あるいは電子申請で提出します。
資格喪失の手続き(退職時)
従業員が退職する場合は、次の流れで手続きします。
- 資格喪失日を確認
原則として退職日の翌日が資格喪失日になります。
- 証書類を回収
資格確認書、高齢受給者証、特定疾病療養受療証、限度額適用認定証などを本人から回収します。マイナ保険証を利用していて資格確認書が発行されていない場合は、回収対象の証書がないこともあります。
- 健康保険厚生年金保険被保険者資格喪失届を作成
証書を回収できない場合は「資格確認書回収不能届」をあわせて提出します。
- 提出
資格喪失日から5日以内に提出します。協会けんぽ加入の場合は年金事務所(または事務センター)へ厚生年金・健康保険をまとめて提出。健康保険組合に加入している場合は、厚生年金保険分は年金事務所へ、健康保険分は加入している健保組合へ、それぞれ別に提出する必要がある点に注意してください。
提出方法(窓口・郵送・電子申請)
資格取得届・資格喪失届はいずれも、年金事務所への持参、年金事務センターへの郵送、電子申請(e-Gov等)のいずれかで提出できます。
注意
資本金1億円超の法人など一定規模以上の事業所は、社会保険・労働保険の一部手続きについて電子申請が義務化されています。自社が対象になるかは、届出の都度ではなく一度まとめて確認しておくと安心です。
手続きを効率化する方法
入社・退職のたびに紙の届出を作成していると、記入ミスや期限超過のリスクが積み重なります。件数が増えてきた会社では、次のような方法で負担を減らせないか検討する価値があります。
- 給与計算・労務管理ソフトとの連携: 従業員情報を一度登録すれば、資格取得届・喪失届のフォーマットへ自動反映できるサービスが増えています。
- 電子申請(e-Gov等)への切り替え: 控えの保管や提出状況の確認がしやすく、複数拠点がある会社ほど効果が出やすい方法です。
- 社会保険労務士への外部委託: 手続き自体を月次で委託すれば、期限管理や制度改正への追随を任せられます。人事労務の担当者が採用・退職以外の業務に集中しやすくなります。
よくあるミス・注意点
- 提出期限の超過: 5日以内という期限は意外と短く、入社・退職手続きの他の作業に追われて遅れがちです。遅延すると、保険料の遡及徴収や本人の給付手続きへの影響が生じることがあります。
- 扶養家族の届出漏れ: 資格取得と同時に、被扶養者(異動)届の提出も必要な場合があります。忘れると家族が保険給付を受けられない期間が生じます。
- 証書類の回収漏れ: 退職者から証書を回収し忘れると、資格喪失後もその証書が使われてしまうリスクがあります。
よくある質問
Q. 提出期限の5日を過ぎてしまったらどうなりますか?
Q. マイナ保険証を使っている従業員でも、資格取得の手続きは必要ですか?
Q. 電子申請と紙(窓口・郵送)、どちらがおすすめですか?
まとめ
- 資格取得届・資格喪失届は、いずれも事実発生日から5日以内の提出が原則です。
- 資格取得はマイナンバー等の確認書類、資格喪失は資格確認書等の証書回収が必要です。
- 健保組合加入の場合は提出先が厚生年金分と健康保険分で分かれる点に注意してください。